『植栽がうまく育つ庭と育たない庭の違い ― 外構計画で大切なこと』

「植えた直後はきれいだったのに、数年で元気がなくなってしまった」
「庭木の管理が思った以上に大変で、だんだん庭に出なくなった」
外構工事や庭づくりのご相談を受ける中で、こうした声を耳にすることは少なくありません。
植栽がうまく育つ庭と、そうでない庭。その違いは、日々のお手入れ以前に、外構計画の段階でどれだけ植栽のことを考えているかに大きく左右されます。本コラムでは、庭・外構の設計施工に携わる立場から、植栽が健やかに育つために本当に大切なポイントをお伝えします。

◆植栽が育たない原因は「植え方」ではなく「場所」にある
植栽がうまく育たない庭の多くは、植物そのものではなく「植えられている環境」に問題があります。日当たりや風通し、建物の影の出方、雨水の流れなどは、完成後に変えることが難しい要素です。
例えば、日光を好む樹木が一日中影になる場所に植えられていたり、乾燥に弱い植栽が水はけの良すぎる場所に配置されていたりすると、どれほど丁寧に水やりをしても調子を崩してしまいます。
外構計画では、敷地全体の環境を読み取り、その場所に合った植栽を選ぶことが不可欠です。これは、完成後の庭の印象だけでなく、植栽の寿命にも大きく関わります。

◆外構工事の質は「土づくり」に表れる
庭づくりにおいて、見た目以上に重要なのが土壌の状態です。造成直後の庭は、重機で締め固められていたり、粘土質で水が溜まりやすかったりと、植栽にとって決して良い環境とは言えません。
丁寧な外構工事では、植栽を植える前に土を改良し、根がしっかりと張れる環境を整えます。この工程を省いてしまうと、植栽は地表では元気そうに見えても、地下では弱ってしまい、数年後に枯れてしまう原因になります。
長く美しい庭を保つためには、完成直後では見えない部分こそが重要なのです。

◆気候を前提にした植栽計画が庭を守る
静岡は温暖な地域ですが、夏の強い日差しや冬の乾燥した風など、植栽にとっては負担となる条件もあります。そのため、見た目や流行だけで植栽を選ぶと、管理が難しくなってしまうことがあります。
気候に合った植栽を選ぶことで、水やりや剪定の手間を抑えながら、庭の美しさを保つことができます。
アトリエガーデン卯月苑では、静岡という地域性を踏まえた植栽選びを大切にし、無理なく続けられる庭づくりをご提案しています。

◆植えすぎない勇気が、美しい庭をつくる
完成直後の華やかさを重視して、植栽を多く入れすぎてしまうケースも少なくありません。しかし、植物は必ず成長します。数年後に枝葉が重なり合い、風通しが悪くなることで、病害虫の原因になることもあります。
植栽計画では、数年後、十数年後の姿を想像しながら配置することが重要です。適度な余白を残すことで、植栽一つひとつの魅力が引き立ち、手入れもしやすい庭になります。

◆外構全体と調和することで植栽は生きる
植栽は、庭だけで完結するものではありません。アプローチや門柱、フェンス、駐車場など、外構全体とのバランスの中で計画することで、より美しく、機能的な空間になります。
建物の直線的な印象を植栽でやわらげたり、目隠しフェンスの足元に緑を添えたりすることで、住まい全体の印象は大きく変わります。外構と植栽を一体で考えることが、満足度の高い庭づくりにつながります。

◆植栽が育つ庭は、暮らしを豊かにする
植栽が元気に育つ庭は、季節の変化を身近に感じさせてくれます。ふと庭に目を向ける時間が増え、暮らしにゆとりが生まれるのも、庭の大きな魅力です。
反対に、植栽がうまく育たない庭は、管理の負担やストレスにつながりやすくなります。だからこそ、外構工事の段階で「育て続けられる庭」を考えることが大切なのです。

◆植栽を成功させる鍵は外構計画にある
植栽がうまく育つかどうかは、環境に合った配置、丁寧な土づくり、気候を考慮した樹種選び、そして外構全体とのバランスによって決まります。
これらを踏まえた外構計画こそが、長く愛せる庭をつくります。
アトリエガーデン卯月苑では、外構・庭・植栽を一体で考えた設計施工を行っています。
実際の植栽の育ち方や空間の雰囲気は、モデルガーデンでご覧いただくのがおすすめです。また、これまでの施工事例では、年月を経ても美しさを保つ庭づくりの工夫をご紹介しています。
これから外構工事をご検討の方、植栽に不安をお持ちの方は、ぜひ一度アトリエガーデン卯月苑までご相談ください。庭づくりの第一歩を、プロの視点でお手伝いします。