
近年、お墓の在り方は大きく変化しています。かつては「先祖代々のお墓を守る」という価値観が一般的でしたが、核家族化や少子高齢化、ライフスタイルの多様化により、「お墓を継ぐ人がいない」「子どもに負担をかけたくない」といった声が増えてきました。こうした背景の中で注目されているのが、“ガーデン墓地”という新しい選択肢です。
私たちはこれまでエクステリア・庭づくりの設計施工に携わってきましたが、今回ご縁をいただき、ガーデン墓地の一部設計・施工に関わらせていただきました。従来の墓地とは異なる空間づくりに携わる中で、「これからのお墓とは何か」を改めて考える機会となりました。

2025年夏、富士山を望む三島市の高台にオープンしたガーデン墓地「結の杜」。ここは、花と緑に包まれた庭園のような墓地であり、従来の“静かに手を合わせる場所”というイメージをやさしく覆してくれる空間です。霊苑全体は四季折々の植栽に彩られ、訪れるたびに違った表情を見せてくれます。

この場所で大切にされているのは、「家族が集い、笑顔で故人を偲ぶ」という考え方です。お墓参りというと、どこか厳かで静寂な時間を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかしガーデン墓地では、明るい陽射しの中、草花に囲まれながら自然体で過ごすことができます。小さなお子様からご年配の方まで、足を運べる空間であることも大きな特徴です。

また、自然志向のお墓として比較されることの多い「樹木葬」との違いも興味深い点です。樹木葬はシンボルツリーを墓標とするスタイルが一般的ですが、ガーデン墓地ではコンパクトながらも個別の墓石を設けます。そのため、「手を合わせる対象が明確である」という安心感があり、従来のお墓に近い心の拠り所を保ちながら、新しい形を取り入れていると言えるでしょう。

さらに、「結の杜」では永代供養が付いている点も現代のニーズに合致しています。お墓の継承者がいなくても管理や供養を任せることができるため、将来の不安を軽減することができます。お墓じまいに伴う費用や手続き、親族間の調整といった負担を考えると、この仕組みは非常に合理的であり、多くの方にとって安心できる選択肢となっています。
実際に設計・施工に携わる中で私たちが特に意識したのは、「永眠の地に咲く庭」という空間のバランスです。植栽の配置や素材選び、動線計画に至るまで、訪れる方が自然と歩きたくなり、長く滞在したくなるような工夫を重ねました。単なる景観の美しさだけでなく、風の通り道や陽の入り方、季節ごとの変化など、五感で感じられる設計を大切にしています。

現代において、お墓は「管理するもの」から「心をつなぐ場所」へと変わりつつあります。故人を偲ぶ時間はもちろん、家族や大切な人と過ごすひとときそのものが、豊かな記憶として積み重なっていく——ガーデン墓地には、そんな新しい価値が息づいています。
永代供養付きガーデニング墓地 結の杜
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