庭と暮らしの物語

綺麗な花が健康のバロメーター。80代でも無理なく楽しめる小さな庭。

玄関の扉が開いた瞬間、その場の雰囲気がぱっと華やぐような明るいお人柄のIさんが出迎えてくれた。
綺麗に手入れされた庭とIさんの品のある佇まい、指に光る優しいピンクのネイルをみていると、とても80代とは思えない、エネルギーに溢れたチャーミングな方である。

60代前半から歌を始め、20年以上にわたってボランティアで活動を続けているIさん。
高校時代から音楽独唱やクラシックに馴染みがあり、歌うことが大好きなのだそう。
地元のマンドリン楽団では13年間ボーカルを務め、その間は何度も新聞やケーブルテレビに取り上げられた。「1000人以上の観衆の前で歌ったことも何度かあるんですよ」と、アルバムを聴きながら当時の想い出を楽しそうに話してくれた。
年々庭の手入れに負担を感じはじめ、リフォームを決意した。以前は、芝生がベースの庭にレッドロビンの生け垣が12本、玄関の横にはヒメシャラが植わっていた。「1か月ごとに芝刈りするのも、結構大変なんです。」 門から玄関へ向かう芝生とレンガのアプローチをタイルに変えたことで、階段がなくなり、雨の日にも滑りにくく安心して歩けるようになった。
バラやお花が好きなIさんが庭を無理なく楽しめるよう、曲線のアプローチの間には小さな花壇を設けた。
「以前と比べると、今はすごく楽になりました。夏は暑さでお手入れも大変だし、リフォームをお願いして良かったです。」
Iさんは早朝から、庭の小まめな草取りと、花への水やりを欠かさない。
そんな愛のあるお手入れのおかげもあり、庭はいつ見ても綺麗な花で彩られている。 庭で過ごす朝の15分間は毎日のルーティーンでもあり、Iさんの健康のバロメーターにもなっている。
できるだけ長く楽しめる花を探すのが楽しみだというIさん。最近では、冬はパンジー、春はバラ、夏はニチニチソウとセンニチコウに落ち着いたという。
「やっぱり花があるとすごく心が安らぐんですよね。かわいいんですよ。だって、どんどん大きく成長するんだから。 植物は裏切りませんね。可愛がればちゃんとそれだけ答えてくれます。」そう話しながら、春に咲いた綺麗な薔薇の写真を見せてくれた。
お手入れの負担を軽くしたいという要望だけで、庭のデザインはお任せしてくれた。 「素人だもん、何にも分からないし。でも、彼女(設計士)に任せたら、この家と私をイメージして作ってくださったっていうのを聞いてもう本当に嬉しくて!どこから見ても綺麗なんです。それに夜の月明かりに照らされた庭が特別綺麗で、お気に入りなの。」と嬉しいお言葉をいただいた。
庭づくりにあたって唯一Iさんが要望を出したのが、タイルの色。 「年数が経ってからのことを考えた時、ここだけはグレーにしたいと伝えました。」 当初は明るい色のタイルを予定していたが、レンガと組み合わせてみると庭の雰囲気ともピッタリ。満足のいく仕上がりになった。
庭が完成した後も手作りのジャムをお裾分けいただくなど、素敵な関係性をつづけさせていただいている。

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